不合理な似非医療至上主義の小説『るん(笑)』
気に入った小説ではないのだけれど、もう一つだけ記事を書く。
るん(笑)についてだ。
この小説は、少子高齢化社会の末期だと書いた。
では、なぜ少子高齢化が進行したのだろうか?
「猫の舌と宇宙耳」のラストで、㽷塚山からガイガーカウンターが出てくるシーンはどのように解釈すればよいでしょうか
るん(笑)の世界は放射能で覆われていて、終末期の社会の中で幸せに逝くためのモルヒネとして似非医療が跋扈しているんでしょうか??
幸いにも、ある一冊の本が手元にある。
これは大学時代の教科書で・・・って、そんなことはどうでもいいか。
この本は第一種放射線取扱主任者試験に合格するための参考書で、「どのくらいの放射能を浴びたときどんな変化が人間に起こるのか」が載っている。
さて、「三十八度通り」の土屋は熱病と水泡の症状に侵されていた。(放射線を浴びた手も熱は出ないので、単純に免疫力が落ちて風邪なのかもしれない)
放射能による皮膚の障害は被爆線量に応じて異なる症状を示すので、水泡が現れるときの被ばく線量がどのくらいなのか、調べてみる。
・・・水泡が出るのは7~8Gyとのこと。
ちょ、待てよ、Gyってなんだよシーベルトだろ。って突っ込んだそこのあなた。
Gyは物質がどれだけ放射線のエネルギーを吸収したかを表す量です。
線量(Sv)=吸収線量(Gy)×放射線荷重計数×(組織荷重計数)
で、何シーベルトなのか?ということだが。
素人なりに頑張って計算してみた。
まず、吸収線量はGyなので、
吸収線量=7~8
放射線荷重計数は、放射線の種類(光子/電子とミュー粒子/陽子・・・など)によって変わるらしい。えー、しかも、電子か陽子で計算するかで、結構計算結果に差が出そうだ。
普通ここはどのように計算するのだろうか?
一応、環境省によると原発事故由来の放射性物質はβとγ線らしいので、環境省のQ&Aの回答と組み合わせて、放射線荷重計数は1とする。
最後、組織荷重計数だが、今回は皮膚なので、0.01だ。
つまり線量(シーベルト)は7×1×0.01なので、0.07Sv・・・ってこと!?
0.07Sv=70mSvだから・・・
https://www.pref.chiba.lg.jp/bousai/saigaitaisaku/housyanou/documents/16siryou.pdf
結果から言うと、まぁ高いんだろうなぁ。。。って感じかな?
素人の計算なのでアテにできないから、上記で50mSVって書いてあるよ!って興奮してる人はちょっと待ってほしい。
年間で50mSvだからね。
水泡が症状として出てるってことは、7~8Gyの放射線を吸収したのだろうけど、どのくらいの期間放射線に暴露していたのかわからないので、どうとも言えない。ただ、この結果をもとに、現在の福島の放射線量をリアルタイムで観察すると、健康被害なんて出るわけないっていうのは分かる。
正直、お湯の張り替えをしないで茶色い水に浸かっているから、土屋は皮膚病にかかっているのだとばかり思っていた。
ただ、もしも放射能の影響で水泡が現れているのだとしたら、土屋と真弓が不妊治療を行っていたことについて納得できる。生殖細胞は皮膚よりもさらに放射能の影響を受けやすいからだ。
るん(笑)で少子高齢化が起こっている原因は、大人たちが放射能の影響で不妊になっているせいかもしれない。
さて、るん(笑)の話に戻ろう。
この世界には、結界がある。高次のアセンションがどうのこうのという話があるのだが、要するに、望んで住みたい場所があるらしい。るん(笑)界の武蔵小杉。
高次の場所は何を意味するのか?
放射能汚染が比較的少ない地域・・・ではなく、放射能汚染が進んだ地域ではないかと私は思いました笑
早く逝って転生する方が彼らにとっては望ましい死に方(?)のはず。
なぜ彼らは放射能で汚染された世界にとどまることを選択したのでしょうか?
放射能汚染は局所的なものであり、移住することもできるはずです。わざわざガイガーカウンターを隠して真実から目をそらす必要がありません。この非合理的な似非医療が蔓延する世界で、最初に何が起こったのか気になります、、、
#るん(笑)